排泄ケアのポイント

排泄ケアの中でも、特に排便コントロールが上手くできていないと、不機嫌になる・相手に対して攻撃的になるなどの症状が出やすくなると言われています。
私たちのデイサービスをご利用中の方にも、便が出ていないと表情が暗く元気がない方や、便秘が続いていることで食欲が無くなってしまう方など多く見られます。

排泄ケアのポイントしては、高齢者の1日の水分量

人が1日に排出する水分は、尿1,000〜1,500mL、便900mL、生理的に不感蒸拙で失われる水分100mLです。
したがって、収支を合わせるためには、排出される量を摂取しなければなりません。

1日の摂取量の内訳としては、食物中の水1,000mLと体内での代謝水200mL として、飲料水を800〜1,300mL取らなければなりません。
大雑把に言うと、1日の水分摂取量は1,000mL(コップ3〜4杯)が目安となります。

以上は通常の水分の摂取量であり、実際の摂取量を決めるときには、下痢や嘔吐、発熱による発汗、運動量の増加に伴う通常以上の発汗などの要因を考慮に入れなければなりません。

通常、水分が体重の10%喪失しますと循環不全を、15%の喪失で意識障害を来します。
重度の脱水では、脳の神経細胞が特に影響を受けやすく、ときに昏睡状態となります。
脱水状態に陥ると一気に体力が低下し、場合によっては生命を脅かすこともあります。

水分摂取に際しては、水分をどのように摂取するかも考えなければなりません。
清涼飲料水には糖分が多く含まれているものが多く、原材料名などをチェックして糖分が多すぎないかを確認することが大切です。

トイレに行き、自立排泄を行うための大前提は「背もたれなしで10分間座れる」「しがみついてでも20~30秒の間は立てる」ことです。

この2つさえ可能なら、洋式トイレでリハビリパンツを上げ下ろしすることができる。
そのためにも日頃から身体を起こして座り、下肢の筋力を落とさない生活を心がけてほしいと思います。
車椅子に長く座る場合、もたれっぱなしにならないよう、時折は背もたれを使わないようにしてみる。

ベッドから車椅子への移乗では、介助者がひょいと移してしまうのではなく、数秒でもよいので、ご本人の足の力を使って立ってもらう時間をつくる。

何より、あきらめず、根気よく続けることが大切です。
筋力低下を防ぐ日々の取り組みの積み重ねが、自立排泄に向けた最良のトレーニングとなるのです。

リハビリパンツ、紙パンツ、尿取りパットの紹介

1回の尿量が150mlとして計算して、2回分~6回分まであります。
回数が多ければ安心ではありますが、その分排尿があったことが気が付き難いことや、1枚のコストが上がりますので、日中は2回分を使用し、夜間は4回分を使用するというケースもあります。

また、リハビリパンツに尿取りパットを使用する方も多くいらっしゃいます。
それは、リハビリパンツよりも、尿取りパットの方が安いからです。
日々使うものですから、なるべく費用がかからない方法を考える事も大切です。

※リハビリパンツ、尿取りパットの見本をテーブルの数分用意する
〇紙パンツの助成制度(静岡市の場合)

対象者 (以下の条件をすべて満たす方)

(1)次のどちらかに該当する、65歳以上の市内在宅の人で紙おむつが必要な方

ア 要介護1または2の認定を受けた方で、身体状況や重度の認知症状により常時紙おむつ等を装着する必要がある方
※平成28年度から対象が変更になりました。
イ 要介護3以上の認定を受けた方

(2)障害者支援課で紙おむつ券を受給していない方

(3)生活保護世帯またはすべての世帯員が市民税非課税である世帯に属する方

(1) 支給方法
要介護1、要介護2は月額1,500円分、要介護3は月額5,500円分、要介護4は月額6,000円分、要介護5は月額6,500円分の紙おむつ券を支給します。
利用者は、紙おむつと引き換えのできる薬局等(静岡薬業組合加盟店)で本人にあった紙おむつと引き換えます。

メッセージ

排泄ケアは健康に過ごすためのとても大切なケアです。家庭での様子やデイサービスで過ごされている時の様子を共有させてもらうことで、より良いケアの方法が提案できるようになると思います。家庭で困っていることがありましたら、いつでも相談してください。