About Care認知症患者の入浴について

ご家族のニーズ

アルツハイマー型認知症で80代、女性、息子夫婦と同居。
自宅でどのように入浴されているか息子夫婦は分からない。
着替えを出して置いても着替えてなく、布パン使用し失禁もあり常に尿臭が強い状態。
お嫁様からデイサービスでの入浴とリハビリパンツを勧めて欲しいと希望がありました。

声かけの仕方を工夫

まず、デイサービスで入浴を勧めましたが、家で毎日入っているからと3回続けて拒否が有りました。
4回目には〇〇様と、昔はお風呂に入るには、ポンプで井戸水を汲み上げるのが自分の仕事だったよ、その後に杉に火を付け薪をくべた。
大変だったよと。懐かしそうな、又、嬉しいそうでした。

利用者様のニーズのキャッチと適切な声掛け

今は蛇口をひねればお湯が出るし、などとお話しされた。デイでお風呂に入るのどうして嫌なんですか?と質問すると、家で入っているし、人様に身体を見られるのが恥ずかしいよと。
じゃあ、バスタオルを体に巻いて入られてはと、職員はにっこりと焦らずゆっくり声掛けをし、今日のお風呂は緑のお湯を用意させて頂きましたがどう、一度入浴してみて下さい。と話をすると、じゃあ入ってみると体を洗わずに浴槽に入り、気持ち良いと笑顔でした。
声掛けで浴槽から出て、一つ一つ声掛けし乾いたバスタオルで体を拭いて頂き、一つ一つ衣類を手渡し、紙パンツも抵抗なく履く事が出来ました。
2回目もゆっくり声掛けし、バスタオルを巻いて浴室に入られ椅子に座って頂けたので、髪の毛を洗うお手伝いをさせてとゆっくり話すと、洗髪し、バスタオルから出ている腕、足の指を洗わせて頂き、ご自分で洗える所はジェスチャーで洗うしぐさをすると、胸の辺りを洗う事ができシャワーで流して浴槽に入る。

目標達成

気持ち良い事が解り4回目からは拒否なく洗髪、洗身させて頂いた。
入浴後はドライヤーを使用して足の指間や髪の毛を乾かし、焦らず、〇〇様のペースで行ったことで毎回入浴が出来るようになりました。
紙パンツは何の抵抗もなく交換が出来ました。
認知症だからと嘘やごまかしてはいけない、その方と目を見てお話しする。約束を守り、焦らない事で入浴する事が出来ました。

メッセージ

入ること自体が面倒であったり、手術の痕を人に見られたくないなど、入浴の拒否内容は一人ひとり違いがあります。利用開始すぐは拒否があり、入って頂くことができないケースもありますが、私たちも安心して入浴をしてもらえるように、一人ひとりに合わせた声掛けをしていきますので、ご相談ください。